栄誉とお金
北京オリンピックまであと20日あまり。前回のアテネオリンピックで日本は、お家芸の柔道や水泳が健闘し金メダル16個を取った。総合5位。東京オリンピック(やはり金16個)以来の活躍だった。
中国は日本の倍の32個で米国に次ぎ2位。今年は開催国で先ず総合1位をねらってくることだろう。
スポーツはハングリーな国や選手が強い。その点平和で飽食の国、日本はさてどれだけの力を発揮するか。大相撲でイヤというほどモンゴル人の強さを見せ付けられてきた。一方スポーツ選手でもちょっと可愛かったり格好よかったりすると直ぐちやほやしたり、ワイドショーに登場させてひいきの引き倒しをする。ゴルフの石川遼選手などはせっかくの逸材なのにマスコミが追い掛け回して精神集中できないでこのところ予選落ちが続いている。平和ボケで軟弱な日本人が唯一愛国心で燃え上がるのがワールド・サッカーとこのオリンピックだ。オリンピックは参加することに意義ありといったのは昔の話、やはり勝たないと意味ない。だけどこんなことを言うと選手にはやはりプレッシャーになるだろうなぁ。
ところで以前はオリンピックはアマチュア選手だけしか参加できなかったのであるがIOCにサマランチ会長が登場して以来商業主義が認められるようになって出場者規定が緩められプロも堂々と参加できるようになった。それぞれの競技団体が出場資格を決められるのである。例えばサッカー。IOCとしては人気抜群のワールドカップの選手を出場させたい。しかし国際サッカー連盟はワールドカップ大会をサッカーの最高峰として権威付けたい。そこでオリンピックに出場できるのは23歳以下の選手に限るという妥協が図られた。それからプロ野球。日本はペナントレースを続行しつつベストメンバーを参加させるがシーズンを中断して選手を送り込むのが韓国球界。大リーグはオリンピック参加を認めていない。だからイチローも松坂も日本代表に入れない。
そんなわけで選手もいろいろな企業と契約をして宣伝に一役買うが時に問題も起こる。水泳の北島選手が契約相手のミズノの水着をやめて背に腹は替えられないと英・スピード社の水着を着たとたん世界新を更新して話題となった。さて広告契約のほかに選手個人に収入はあるのだろうか。それがある。メダル報奨金がそれ。日本にもあるとは知らなかった。金メダル 300万円、銀メダル 200万円、銅メダル 100万円というしだい。 アテネ大会で北島選手は100Mおよび200M平泳ぎで金メダル、そして400Mメドレーで銅メタルを取った。 したがって報奨金 300+300+100=700万円を手にした。とは言え女子プロゴルフの選手が一度優勝すると千数百万円を稼ぐのを考えるとその名誉からすれば安いものである。もっとも種目ごとの報奨金もある。例えばシドニー大会(2000年)では金メダルが
テニス 卓球 2000万円
レスリング ライフル射撃 1000万円
サッカー (一人当たり) 600万円
という具合だったが結果として残念ながら宝を掘り当てた選手はいなかった。
外国の場合を見ると更にすごい。例えば韓国では前の回に銀メダルをとったさる選手に次の大会で金メタルが取れたら報奨金1億円と終身年金月額10万円という提示がなされたという。結果は失敗。これでは励まされる前に重圧で潰されてしまう。また中国では金メダル第一号に1400万円相当の豪邸をプレゼントしたという。逆に勝つことを期待された試合で負けたため強制収容所に送られたという怖い国の話もある。
個人にとって報奨金は大いに魅力であろう。しかしそれ以上に世界一になる栄誉はお金を超える価値がある。国民全体を熱狂させる力を持つ個人(あるいはチーム)はオリンピック大会とワールドサッカー以外には見られないのだから。
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