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2007年12月14日 (金)

ニューヨーク・ボストンの旅; その4 マンハッタンに住む日本人

ニューヨークのマンハッタンに住んでいる知人がいる。ニューヨークに30年来住んでいる。日本料理屋に勤めたり自分ですし屋を経営したりしたが今はアメリカ人に日本語を教えている。奥さんはハワイ日系人の母上とドイツ系の父上を持つアメリカ人だ。日本のテレビ放送会社と提携している会社でニュース番組のプロデューサーをしているキャリアウーマンである。ニューヨークでは奥さんのご両親を日本では自分の年老いたご両親の面倒を見ている親孝行な人である。そのために3ヶ月ごとに日米を往復している。2年前帰国中にたまたま知遇を得た。明るく温厚でおまけに現代のアメリカとアメリカ人の事情に通じた「文明評論家」で得がたい友である。

今回の旅行の最終日が自由行動の日となっていた。そこで彼にツアーがカバーしない5番街のウィンドーショッピング、エンパイヤステイトビルの展望台Photo_2
(写真左はその眺め)、グランド・セントラル・ステーションからリトル東京などなどマンハッタンの観光ポイントを色々と案内していただいた。生活情報付きの生きた散策を楽しませてもらった。

しかし一番印象的だったのは彼のコンドー(マンション)を訪ねたときだ。場所はセントラルパーク西側の67丁目、初夏には甲羅干しをするニューヨーカーで賑わうシープメドウの直ぐ近くで今や高級な住宅地の一角。20階で眺めがよい。アップタウンへ伸びるコロンバス通りが直下に見えPhoto_3
(写真左)パークは東に見える。近くにはオペラやバレーで有名なリンカーンセンターやかの有名なジュリアード音楽院がある。 家は15年ほど前に購入したが今は4~5倍に高騰している。日本人の駐在員などはニュージャージーなどの郊外の高級住宅地に住む人が多いがこのあたりにもけっこういるという。アメリカは貧富の差が広がりつつある。ニューヨークも2極化が進み低所得層はマンハッタンから川向こうに追いやられつつある。公園の北のハーレムさえも近頃では白人の若者が住みつくようになって治安も幾分よくなってきた。地下鉄などが便利でクルマは持つ必要がない。仕事などには片道1時間を歩いて通勤する。セントラルパークを横断し五番街を通って!Photo
 映画の舞台になるようなマンハッタンの中心地が生活の舞台だ。まことに羨ましい限り。

当然とっくにグリーンカード(永住権)を持っている。いつでもアメリカに帰化できる資格がある。しかしこんな恵まれた環境で生活を謳歌していながらまだ日本人のままである。ところで市民権を取るのは大変に難しい。外国人の若者は命がけで戦場に志願し命を賭してでもその永住資格を手っ取り早く掴もうとする。韓国人や中国人は運よくグリーンカードを貰えば直ぐ帰化を申請する。ところが日本人の居住者は日本人であることにこだわる人が多いという。当局も日本人は不思議な民族だと思っているらしい。彼も友達のアジア人にお前はなんて馬鹿なんだと揶揄される。社会福祉などメリットも享受できない。それでもいつでも戻って心の安らぎを得られる故国があるからこそ安心してアメリカ生活を楽しめるのだそうだ。彼はそれを日本人の甘えだと自戒している。しかし何の人種的緊張もなく同じ顔と気持ちを共有する単一民族の日本の社会の居心地の良さはかけがえのないものだということはよく分かるのである。だから3ヶ月ごとに日米を往復する彼はまさにいつでもいい所取りができて100%その境遇を満喫していると言える。

  * 彼の前半生は有名政治評論家の秘書時代や1年半のアフリカ大陸放浪など春秋に富んでいる。いずれそれも    取り上げたい。

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